どうも浅雲(あさぐも)です。ブロガー人気No1のハウスメーカーと言えば間違いなく「一条工務店」です。ブログ村のカテゴリ登録数を見ても、2位の住友林業をダブルスコアで突き放し、圧倒的な支持を集めています。
今回はそんな一条工務店と私が建築したパナソニックホームズを比較し、共通点とそれぞれのハウスメーカーが向いている人について比較検証します。 ただし、私はパナソニックホームズで最終的に建築したため、情報密度に差がある点はご注意下さい。
アイキャッチ画像はfujiwaraさんによる写真ACからの写真を引用させていただきました。
一条工務店とパナソニックホームズ比較検証
価格~坪単価は一条工務店の方が安い
一条工務店の主力商品の価格帯は50万~65万、パナソニックホームズの主力商品の価格帯は60万~80万程度となりますので表面上は一条工務店の方がワンランクは安くなります。坪単価については正直なところあくまで目安にすぎず、設備面を統一しないと見えない部分もあります。
一条工務店については独自仕様も多い為、正確な比較は難しい面があります。ただ同じような坪数・設備を選択した場合はやはり一条工務店の方が安くなる可能性が高いと考えられます。
両ハウスメーカーで値引きはできるのか?
ブログの情報を見る限り、一条工務店は基本的に値引きができず、できたとしても施主による紹介や提携会社による割引しかないようです。また工場見学による抽選会の商品として、カップボード等が無料になる場合があります。一条工務店で建築したい場合は必ず工場見学の抽選会には参加しましょう。
一方、パナソニックホームズについては普通に値引き交渉が可能となっておりますので、相見積もりと最終交渉で値引きを引き出しましょう。
耐震性~双方とも標準で耐震等級3
どのハウスメーカーも耐震性には力を入れていますが、一条工務店・パナソニックホームズ共に実大耐震実験を行っています。耐震等級についても双方とも標準で3がとれる構造になっています。
一条工務店は「ツインモノコック構造」、パナソニックホームズは「パワテック」という技術で耐震性を高めています。
パナソニックホームズは独自の地震建て替え保証がはじまったため、もしもの時の備えという点ではパナソニックホームズに軍配があがると言えるかもしれません。
構造~一条工務店は木造2×6、パナソニックホームズは鉄骨造
構造については一条工務店は木造2×6、パナソニックホームズは鉄骨軸組のカサートSもしくはパネル工法のカサートCと大きな違いがあります。
一条工務店の2×6については木造のパネル工法となるため、躯体である木造2×6についても工場生産となっており、公式ページでは80%工場生産をうたっています。施工品質面では一条工務店は瑕疵が非常に少ないと考えらます。
パナソニックホームズの躯体である鉄骨軸組・パネル工法共に工場生産となっており、施工品質面では互角と言えます。
気密断熱性~一条工務店が大幅にリード
構造で上げたとおり一条工務店は木造2x6となっており、気密性を最も高めやすい構造といえます。また断熱性の鍵となる窓についてもLow-eトリプル樹脂サッシとなっており、「家は、性能。」の名をいかんなく発揮しているポイントがこの気密断熱性といえます。
対してパナソニックホームズは鉄骨造となっており、どうしても気密断熱性は高めにくい構造です。また窓についてもLow-eダブルアルミ樹脂複合サッシであるため、気密断熱性能は一条工務店が圧倒的にリードしているといってよいでしょう。
間取りの自由度~パナソニックホームズの方が高い
一条工務店は工場生産の2×6となり、俗に「一条ルール」という間取りの制約があります。一条工務店で建てられた方の情報をみると、なかなか一条ルールに苦労されている様子がうかがえます。
対してパナソニックホームズはカサートSの場合は 鉄骨軸組のためそのような制限はなく、15cm単位で非常に自由度が高い設計が可能です。
どちらの場合も構造上十分な耐震性を得るための制約が発生しますので、営業・設計士の方と相談してできる限り理想の間取りを追求しましょう。
換気システム~双方とも第1種換気を採用も違いあり
一条工務店は「ロスガード90」、パナソニックホームズは「HEPA+」という換気システムを採用しており、双方とも吸気と排気を機械で行う第1種換気となっています。
違いとしては一条工務店の換気システムは熱交換式となっているため、外気に影響されず室内温度を保ちやすくなっています。また「ロスガード90」の「90」は熱交換効率が90%と非常に高いことを由来としており、熱交換式の中でもかなり性能が高いシステムとなっています。一方、パナソニックホームズのHEPA+は熱交換式ではないため、室温の維持の観点では劣ります。
一方、外部からの花粉やPM2.5等の侵入を防ぐフィルターについてはパナソニックホームズ「HEPA+」は 0.3μmまでの微粒子を99.97% 除去を謳っており、一条工務店の「ロスガード90」は1.0 mまでの微粒子を99%としているためパナソニックホームズの方に軍配があがります。
またメンテナンス観点では 「HEPA+」 は床下のフィルターのお手入れ、「ロスガード90」は室内に設置したフィルターと防虫袋の手入れとなっており、メンテナンスは双方ともしやすくなっています。
空調設備~全室床暖房+うるケアvsエアロハス
空調設備については、一条工務店は全室床暖房を売りにしており、また気密断熱性が高い場合に乾燥しやすくなる対策として、「ロスガード90」に付加する形で全室加湿機能を持った「うるケア」の採用が可能です。一条工務店は冬場については床暖房を使用することになりますが、夏場については個別エアコンの導入が必要になる点は注意が必要です。
パナソニックホームズの場合は「エアロハス」という全館空調システムがあります。 ちなみにうるケアの開発には パナソニックエコシステムズ株式会社 が携わっています。 うまく両者の長所を活かした全館空調を開発してほしいところです。
全館空調自体のメリットデメリットについては以下の記事も参考にして下さい。
外壁~ハイドロテクトタイルvsキラテックタイル
一条工務店もパナソニックホームズもタイル外壁を採用しており、双方ともTOTO製タイルで基本的には同じものと考えて問題ありません。大きな違いとしては、パナソニックホームズは現地で職人の手によってタイル貼りを行うことでシーリング目地がない工法をとっていることで、一条工務店のタイルに必要なシーリング目地のメンテナンスすらも不要になる点です。
一条工務店もパナソニックホームズも外壁にタイル以外を選択可能ではありますが、メンテフリーを標榜する私としてはメンテナンスコストを考えるとタイル外壁にすることを強くおすすめします。
屋根材~KMEW株式会社製品が中心
パナソニックホームズも一条工務店も屋根材の最大手であるKMEW株式会社の製品から選択となります。
大きな違いとしては一条工務店はメインラインナップであるismartの場合、太陽光発電を乗せる関係上、瓦屋根を選ぶことができません。パナソニックホームズについて私の場合はコロニアルグラッサが契約前から入っておりそのまま契約となりましたが、2019年10月より開始された「35年安心初期保証」の要件として [屋根葺材]陶器瓦・軽量瓦(高耐候仕様) が義務付けられているため、標準が軽量瓦の「ルーガ」に移行していくものと考えられます。そのため、選択肢とメンテナンス性はパナソニックホームズが優位といえます。
水回り設備~独自仕様かパナソニック製品か
水回り設備については一条工務店は大きな特徴として、キッチンと洗面台は自社独自の製品が標準になっている点があげられます。トイレについてはTOTO、LIXIL、パナソニックから選択する通常のハウスメーカーに近い形です。一方パナソニックホームズの場合は標準はパナソニック製品となります。
もちろん双方ともに他社製品を選択することも可能ですが、その場合、標準のものより割高になる可能性が高い点には覚悟が必要です。
デザインは双方ともそこまで重視していない
一条工務店・パナソニックホームズ共に 好き嫌いがあるかと思うので一概には言えませんが、 デザイン面はあまり重視しておらず性能重視の人が向いている印象です。ただ一条工務店についてはデザイン重視のおしゃれな「グランセゾン」というシリーズも存在しています。
向いている人・いない人
双方向いている人
大手の安心感・長期メンテナンスが欲しい人
双方とも大手ハウスメーカーであり、中長期的に見ても倒産の危険性は小さいと考えられます。 建築中に倒産してとん挫する等の可能性はほとんどなく、今後のメンテナンスやフォローもよっぽどのことがない限り継続してもらえる安心感があります。アフターメンテナンスを重視する人には大手ハウスメーカーの一角である両ハウスメーカーはお勧めです。
一条工務店が向いている人
高気密高断熱を重視する人
「家は、性能」のキャッチコピーの通り、高気密高断熱の性能面では大手ハウスメーカー内では随一といえます。高気密高断熱の住宅を志す人は選択肢の一つとして見積もりを依頼しましょう。
寒冷地の人
寒冷地の場合、一条工務店の全館床暖房のメリットが最大限に活かされ、逆に夏の暑さへの対応というデメリットも抑えられます。
独自仕様の水回りに抵抗がない人
キッチンや洗面台について、一条工務店は独自製品が標準になっているため、そこに抵抗がない人は向いています。活用したい製品が別に決まっていたり、いろいろな製品を比較して入れたいと考える人は価格面では不利になる可能性があります。
ネットでの情報収集に熱心な人
冒頭にも書いた通り、一条工務店は非常に多くのブロガーに支持されており、ネット情報の充実度は他のハウスメーカーに比べて圧倒的です。欲しい情報が手に入れやすいという観点でネットを活用した情報収集をされる方にとっては非常に有利に働きます。
パナソニックホームズの方が向いている人
地震に対する保証を重視する人
地震が発生した場合の地震保険に頼らない建て替え保証をうたっている会社は私が調べた限りでは2020年7月現在でパナソニックホームズのみです。これに魅力を感じられる方はパナソニックホームズを検討してみてください。
気密断熱性をそこまで重視しない人
確かにいわゆる高気密高断熱住宅ではありませんが、旧来の日本家屋や昔の賃貸マンションに比べると確実に進歩している点は間違いありません。ほどほどの気密断熱性で問題ない方は選択肢に入ります。
細かい部分まで自由度が高い間取りにこだわりたい人
パナソニックホームズ・カサートSの場合15cm単位で間取りを構成できるため、2×6工法で「一条ルール」による制約が出てしまう一条工務店よりかなり自由度が高い間取り構成が実現可能です。間取りに極限までこだわりたい人は、パナソニックホームズが向いていると考えられます。
キラテックタイルに魅力を感じる人
キラテックタイルの完全メンテフリーに大きな魅力を感じる人はパナソニックホームズがおすすめです。
パナソニック製品が好きな人・抵抗がない人
パナソニック製品が好きな人は水回りをふくめてあらゆるものがパナソニック製品が採用されるため、理想的です。決める場合もパナソニックショウルームで完結する部分が多い為、打ち合わせもスムーズです。
まとめ
今回は一条工務店とパナソニックホームズを比較しました。木造と鉄骨という違い、気密断熱性の考え方、水回りの仕様に大きな違いがあるため、そのあたりの優先によっては取捨選択がしやすい両者であるといえます。是非今回の記事がハウスメーカー選びの一助になりましたら幸いです。
一条工務店はもちろんですが、パナソニックホームズも個性的なブロガーが多数いらっしゃいますので、是非とも以下から他の施主の皆さまのブログも参考にしてみてください!
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