どうも浅雲(あさぐも)です。個人的にパナソニックホームズ以外で検討したかったハウスメーカー第1位は「セキスイハイム」です。現在ハウスメーカーを検討中の皆さまの中でも悩まれている方は多いかと思いますので、パナソニックホームズとセキスイハイムの共通点、違いを比較検証していければと思います。ただし、私はパナソニックホームズで最終的に建築したため、情報密度に差がある点はご注意下さい。
アイキャッチ画像は Jason Dent 氏の画像を Unsplash より引用させていただきました。
パナソニックホームズとセキスイハイム比較検証
価格~双方ともに高め
セキスイハイムの坪単価は65万~80万程度、パナソニックホームズは60万~80万程度と言われていますが、正直言って坪単価は広さや採用設備によって大きく左右されるため、あまり参考になるとは言えません。ただし、双方ともばんばんCMを売ってモデルハウスも全国にあるハウスメーカーです。間違いなく広告宣伝費も上乗せされており、維持費も含め価格は高い部類となります。その分、研究開発費用も十分にかけられるため、性能面も高いことが期待できます。
セキスイハイムとパナソニックホームズの比較で言えば、外壁や設備面のグレードを合わせれば、ほぼ価格帯は同等と考えて良いかと思います。あとは営業の裁量とタイミングによる割引に左右されます。
両ハウスメーカーで値引きはできるのか?
ブログ情報を見る限りは両ハウスメーカーともに契約直前の値引き・割引は普通にあるので、契約前にうまく交渉して最後の一押しで有利な条件を引き出しましょう。ちなみに浅雲家の場合は割引した最終契約時点で、いわゆる請負契約金額が税抜きで坪単価が約80万となりました。その代わり契約後の増額は建物についてはほぼなしで進行できたため、いろいろ要望を盛り込もうとすると坪単価上限くらいはかかると考えておいた方が無難です。またこの金額は請負契約の建築価格だけとなり、地盤改良や外構、カーテン・エアコン・登記・ローン手数料等は含まれていないため、その分も考えて建築価格の配分が必要です。
耐震性~双方とも標準で耐震等級3
双方とも地震への耐性という意味ではかなり自信を感じます。セキスイハイムは「ハイブリッド耐震GAIASS(ガイアス) 」という仕組みで標準で耐震等級3を獲得しており、パナソニックホームズは「パワテック」という仕組みで耐震等級3を獲得しています。両ハウスメーカーともに独自の耐震実験も行っており、地震に対する備えという意味では、双方とも十分と言えるでしょう。
ただ、パナソニックホームズは独自の建て替え保証がはじまったため、もしもの時の備えという点ではパナソニックホームズに軍配があがると言えるかもしれません。浅雲家の時はまだ保証がはじまっていなかったので受けられず残念です。
構造~双方とも鉄骨造であり躯体を工場生産している
厳密にはセキスイハイムには「グランツーユー」という木造のシリーズもありますが、メインは鉄骨造となり、その点はパナソニックホームズと同じです。
鉄骨造の最大の利点は躯体を工場で生産することで、躯体の品質を一定に保てることです。通常の工務店による木造軸組み工法の場合はどうしても実際に建てる大工さんの腕に建物の品質が大きく左右されます。そこが均一化され、そこまで大きな瑕疵が発生しにくい点が鉄骨造の最大の利点であると私は考えます。
違い:セキスイハイムはパネル構造、パナソニックホームズは軸組主体
同じ鉄骨造の中の違いとして、セキスイハイムはパネル構造となり、パナソニックホームズは鉄骨軸組のHS工法がメインです。パネル工法もありますが、大体の方は鉄骨軸組のHS工法を選ばれると思います。これによる違いの一つ目は品質の観点です。パナソニックホームズの場合、鉄骨の軸組やタイル貼りは現場で行うため、セキスイハイムの方が高い品質を維持できるという利点があり優れています。また工期の短さという観点でもセキスイハイムが有利です。その他の部分による工法での大きな違いは下で記載する気密断熱性と間取りの自由度です。
気密断熱性~セキスイハイムの方が高い
セキスイハイムは公式ページ上で気密性の基準であるC値について2.0という実験邸宅での数値が記載されております。対してパナソニックホームズの場合はZEH基準のC値5.0が達成できるという記載しかないため、気密断熱性についてはセキスイハイムに軍配があがります。気密断熱性を売りにしている一条工務店やスゥエーデンハウスには劣りますが、セキスイハイムは鉄骨系の中では気密断熱性に優れたメーカーと言えます。このあたりはユニット工法が気密性を高めやすい点も有利に働いていると考えられます。
窓は双方ともアルミ樹脂複合サッシが標準
窓の標準は双方ともアルミ樹脂複合サッシとなっており、現代の断熱性を重視する流れを考えると遅れていると言わざるを得ません。こちらは是非と契約前にグレードアップを相談しましょう。ちなみに浅雲家は準防火地域であったため、グレードアップできるラインナップがなく断念しました……。
間取りの自由度~パナソニックホームズの方が高い
セキスイハイムは基本的にユニット単位での工場生産となるため、間取りを作っていくうえでユニット単位での増減縛りが発生します。パナソニックホームズの場合は鉄骨軸組のためそのような制限はなく、15cm単位で非常に自由度が高い設計が可能です。ただし、セキスイハイムの場合でもユニット構造を活かした大空間等は木造に比べて作りやすい為、細かい調整が難しいだけでユニットの制約さえクリアすれば十二分に様々な間取りに対応することが可能です。
どちらの場合も構造上十分な耐震性を得るための制約は発生しますので、営業・設計士の方と相談してできる限り理想の間取りを追求しましょう。
換気システム~双方とも第1種換気を採用も違いあり
セキスイハイムは「エアファクトリー」、パナソニックホームズは「HEPA+」という第1種換気システムを採用しています。ともに床下設置であるため、メンテナンスがしやすい点は共通しています。
双方の換気システムの大きな違いとして、セキスイハイムは「熱交換式」を採用しており、パナソニックホームズは熱交換式ではなく、地熱を利用した疑似的なものとなっています。セキスイハイムの熱交換率は80%となっており、これにより室温をある程度は保ったまま換気を可能にしています。室温の維持という観点ではセキスイハイムに軍配があがるといえます。機構が少ない分、ランニングコストはパナソニックホームズが若干有利でしょう。
全館空調~「快適エアリー」vs「エアロハス」
双方とも全館空調をラインナップしており、セキスイハイムは「快適エアリー」、パナソニックホームズは「エアロハス」という商品があります。
セキスイハイムの「快適エアリー」は1Fのみの採用が可能ですが、パナソニックホームズの「エアロハス」は基本的に採用する場合は全館で採用することになります。大きな違いはセキスイハイムの「快適エアリー」は床から温風・冷風が噴き出す構造になっており、パナソニックホームズの「エアロハス」はエアコンに近い壁からとなっている点です。吹き出し口の位置によって 間取り構成に差が出てくるので採用する場合はその点を考慮しましょう。
全館空調自体のメリットデメリット、採用すべき人しない方が良い人は別途で記事にできればと考えています。
外壁~「磁器タイル外壁」vs「キラテックタイル」
セキスイハイムは「磁器タイル外壁」、パナソニックホームズは「キラテックタイル」を公式ページで大々的に推してます。セキスイハイムは親水性、パナソニックホームズは光触媒でのセルフクリーニングをアピールしていますが、基本的にはタイル自体の品質は変わらないと考えられます。
一点、パナソニックホームズのメリットでも書きましたがパナソニックホームズはタイルの施工を現場で手作業とすることでシーリング目地を含めた完全メンテナンスフリーを謳っており、この点ではパナソニックホームズに軍配が上がります。ただし、工場でタイルまで貼り付けするセキスイハイムの方が施工品質の安定性という意味では優れています。
また、セキスイハイムはタイル外壁以外にも、ジオマイト外壁等のおしゃれで高耐久なレリーフウォール外壁と同様のSFCボードの選択肢があります。対してパナソニックホームズはタイル以外も選べるものの、一気に選択肢が減るため、タイルを選ばない場合パナソニックホームズはお勧めしにくいです。
屋根材~セキスイハイムの方が高耐久
セキスイハイムの屋根は錆びや風雨に強く軽い為耐震性にも優れるステンレス屋根が推されています。対してパナソニックホームズは原則ケミュー製のスレート屋根か瓦屋根となり、中堅ハウスメーカーと同様のもので特に優位性がありません。この点ではセキスイハイムの方が優れているといえます。
デザインは双方ともに武骨系?
セキスイハイム・パナソニックホームズ共にデザイン面はあまり重視しておらず性能重視の人が向いている印象です。このあたりは好き嫌いがあるかと思うので一概には言えませんが、双方ともどちらかといえば箱型中心の男性的なデザインであるイメージです。
セキスイハイム・パナソニックホームズ向いている人・いない人
双方共通してむいている人
鉄骨の方が良い人・施工品質の安定性を重視する人
鉄骨系を考えている人はパナソニックホームズ・セキスイハイム双方でハウスメーカーも選択肢に入ると思います。品質を上げやすい点やシロアリに強くなる点以外では、耐震性能をあげやすい点、火災保険の保険料が安くなる点等ががメリットとなります。逆にデメリットとしては気密断熱性が不利になる点と固定資産税が高くなる点です。
大手ハウスメーカーの安心感が欲しい人
セキスイハイム、パナソニックホームズともに注文住宅業界では上位に位置しており、建築中に倒産してとん挫する等の可能性はほとんどなく、今後のメンテナンスやフォローもよっぽどのことがない限り継続してもらえる安心感があります。アフターメンテナンスを重視する人には大手ハウスメーカーの一角である両ハウスメーカーはお勧めです。
セキスイハイムの方が向いている人
気密断熱性もある程度重視したい人
あくまで鉄骨系でのくくりでパナソニックホームズとの比較にはなりますが、セキスイハイムの方が気密断熱性は優れている印象です。ただし、上述した通り全ハウスメーカーで言えば気密断熱性を売りにしているハウスメーカー・工務店は多くあるため、何としても気密断熱性を高めたいという場合はそのあたりのメーカーとの比較もしましょう。
屋根材を含めたトータルの外回りメンテナンスコストを抑えたい人
パナソニックホームズは確実に30年単位での屋根の大規模メンテナンスは必須であるため、外壁でシーリングの対応は必要ではあるものの、屋根までを含めるとセキスイハイムの方が優れているといえます。
パナソニック製品以外の水回りを導入したい人
リクシルやクリナップ製の水回りを採用したい場合はセキスイハイムの方が標準設定されているものがあるので、間違いなくお得に導入できる可能性が高いです。対してパナソニックホームズも他社製も選択は可能ですが、基本的にパナソニック製品からの選択が金額的に無難です。
パナソニックホームズの方が向いている人
細かい部分まで自由度が高い間取りにこだわりたい人
パナソニックホームズの場合15cm単位で間取りを構成できるため、ユニット単位の制約が出てしまうセキスイハイムよりかなり自由度が高い間取り構成が実現可能です。間取りに極限までこだわりたい人は、パナソニックホームズが向いていると考えられます。
キラテックタイルに魅力を感じる人
キラテックタイルの完全メンテフリーに大きな魅力を感じる人はパナソニックホームズがおすすめです。
パナソニック製品が好きな人・抵抗がない人
パナソニック製品が好きな人は水回りをふくめてあらゆるものがパナソニック製品が採用されるため、理想的です。決める場合もパナソニックショウルームで完結する部分が多い為、打ち合わせもスムーズです。
まとめ
今回はセキスイハイムとパナソニックホームズを比較しました。どちらも主要ハウスメーカーの一角であり、性能面でも価格面でも非常に近いと改めて感じました。是非鉄骨系を検討の方は今回の記事を参考にして頂けましたら幸いです!
セキスイハイムもパナソニックホームズも個性的なブロガーが多数いらっしゃいますので、是非とも以下から他の施主の皆さまのブログも参考にしてみてください!
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