どうも浅雲(あさぐも)です。最近の注文住宅では大手ハウスメーカーは全館空調の採用が可能な場合が多いです。今回は全館空調と通常のエアコンにした場合のそれぞれのメリット・デメリットと全館空調が向いている人と向いてない人について、私の実例から書ければと思います。
アイキャッチ画像は 誠也さんによる写真ACからの写真を引用させていただきました。
全館空調
全館空調概要
全館空調とは、リビング・ダイニングや寝室等の居室はもちろん、トイレや洗面室もふくめたすべての建物内部を一括して空調コントロールし、室温を一定に保つための設備です。私が建築したパナソニックホームズだと「エアロハス」が採用可能です。他のハウスメーカーでも、セキスイハイムだと「快適エアリー」、住友林業だと「エアドリームハイブリッド」等、多くのハウスメーカーにて選択が可能になっています。
全館空調メリット
メリット1~全部屋内の室温が一定範囲に保たれる
全館空調の最大のメリットは空調が一括コントロールされることですべての部屋の室温が一定範囲に保たれるという点です。これによりトイレが寒かったり、風呂に入る際に急激な気温変化によるいわゆるヒートショック現象がおきにくくなります。
メリット2~メンテナンスはハウスメーカーに一任できる
全館空調はハウスメーカーにより取り付けてもらうため、メンテナンスもハウスメーカーに依頼することになります。大体の場合は初期不良や定期点検等は無償で対応してもらえるため、壊れた場合に大きなお金がかかる可能性は低いです。ただし、数十年後に壊れた場合はハウスメーカーによっては有償修理となる場合があるため、導入時に確認しておきましょう。
メリット3~気密断熱性を上げやすい
全館空調ではない普通のエアコンを設定する場合、必ずエアコンの配管用に外壁に穴をあける必要があります。つまりその分は確実に気密断熱性能が下がるため、全館空調の方が気密断熱性を上げやすいと考えられます。
メリット4~室内機・室外機が基本的に不要
エアコンを設置すると必ず室内機・室外機を設置する必要があります。全館空調の場合は基本的には室内機・室外機を別途で置く必要がない為、家の内部・外観ともにすっきりし、家の周囲についても室外機がないことで通行もしやすくなります。
全館空調のデメリット
デメリット1~初期費用が高価
全館空調はどうしても初期費用が高価になることが最大のデメリットです。近年低価格化が進んでいますが、それでも最低100万はかかり、ハウスメーカーや坪数にもよりますが300万程度かかる場合もあります。
デメリット2~不足時のリカバリーが難しい
第2として、全館空調のみで冷暖房機能が不足していた場合にリカバリーが難しい点があげられます。例えば寒冷地で全館空調を導入して全開にしても寒い! という場合は追加でエアコンを導入したり、ファンヒーター等を導入することになってしまいます。そうなると全館空調+個別空調を導入することになり、費用がかかるうえに両方のデメリットも背負うことになってしまいます。
デメリット3~無駄な空調が発生する
第3として、誰もいない部屋についても原則として一定温度が保たれるため、部屋の一部しか使用していなくてもずっと稼働していることになります。無駄がないとは言い難く、余計なランニングコストもかかることになります。
デメリット4~故障すると全室内で使えなくなる
全館空調が故障してしまうと、修理までは全室内で空調が使えない状態になります。個別空調の場合は最悪故障していない部屋に移動して難を逃れることも可能ですが、全館空調の場合はそうはいきません。全館空調によっては1階と2階で別系統になっている場合もあります。
デメリット5~余分なスペース消費が発生する場合がある。
全館空調の種類にもよりますが、建築内の一定スペースを全館空調の機械で消費したり、ダクトパイプスペースが増えることで壁内や天井のスペースが減る可能性があります。
個別エアコン
個別エアコン概要
個別エアコンの場合は基本的には全館空調であげたメリットデメリットが逆になります。
個別エアコンメリット
メリット1~初期費用が安い
全館空調に比べて、部屋数が多くても大体において初期費用は安くなる点が大きなメリットです。
メリット2~常に最新の設備が入れられる
家電は日進月歩の部分も多く、エアコンは毎年新機種が発売されます。各ハウスメーカーが導入している全館空調もモデルチェンジはされているとは思いますが、エアコンと比べると進歩のスピードは遅く、表から見えにくくなっています。省エネ性能や温度調節機能等は最新の個別エアコンの方が上になる可能性が高いと考えられます。
個別エアコンデメリット
デメリット1~室温を一定に保ちにくい
仕切らないことで大きなエアコンを使って疑似全館空調みたいなことも可能ではありますが、一般的にはやはり個別エアコンで全部屋の室温を一定に保つことは難しく、ヒートショック現象には注意する必要があります。
デメリット2~外壁の穴あけ・室内機・室外機を考慮する必要がある
個別エアコンを設置する場合は、必ずハウスメーカー・工務店とエアコンの設置計画を検討し、事前に外壁の穴あけと電源の設置を行ってもらいましょう。特にタイル外壁の場合はエアコン業者が穴あけする場合に追加料金を取られる場合もあるため、必ず建築時に穴をあけてもらっておきましょう。
まとめ
全館空調が向いている人
建築面積が40坪以上
全館空調は広さによってそこまで増減せず、狭くても一定の費用がかかります。つまり空調が必要な建築面積が広ければ広いほど費用対効果が高まるため、建物が広く部屋が多い場合は全館空調を採用するのに向いています。だいたい40坪あればだいぶ全館空調も採用する意味が出てくると考えられます。
極端な暑さ・寒さがない
極端に暑かったり寒かったりする場所の場合、全館空調の温度設定が追い付かなくなってしまう危険性があります。
ヒートショックが心配
ヒートショックが心配な高齢者等がいらっしゃる場合は全館空調を採用することでその懸念を大幅に下げることが可能です。
浅雲家の場合
浅雲家の場合は、32坪というそこまで広くない家であったためか、当初からパナソニックホームズの全館空調であるエアロハスを勧められることはありませんでした。ただし、エアコンの計画については設計段階で相談し、壁の穴あけとエアコンコンセントの設置は引き渡しまでに完了してもらいました。
エアコン自体については見積もってもらったもののやはりネット購入等の相場よりは高かったです。パナソニック縛りであったこともあり、2台は旧賃貸マンションから移設、一台は次世代住宅ポイントにて購入・設置しました。
まとめ
今回は全館空調と個別エアコンそれぞれのメリットデメリット、向いている人とパナソニックホームズにおける浅雲家の実例をお届けしました。
全館空調は基本的に注文住宅新築時のみ導入を検討可能となりますので、今回の記事を参考にして頂き、後悔のない選択をして頂けましたら幸いです!
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